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赤ちゃんの歯磨き方法~0歳の歯磨きレッスン~

赤ちゃんの歯磨き方法

今回は赤ちゃんが生まれて、かわいい乳歯が生えてきてからの歯磨きの始め方をまとめてみました。「いつから歯磨きを始めればよいのか。」「歯ブラシはどんなものがよいのか。」大人になり、親となった今では“自分の歯磨きの仕方は分かっていたとしても、お子さんに対してはどのようにすればいいか分からない”という方も大勢いらっしゃると思います。あるいは、お孫さんの健康を心配され、「このかわいい笑顔を守りたい!!」という方もいらっしゃるでしょう。そのような方々へのお手伝いができれば嬉しいです。

0歳からの歯磨きレッスン
まずは歯ブラシに慣れるところから!
最初は歯ブラシをくわえるだけで十分です。

生後まもなく

母乳を飲むのに適した口を持って生まれてくるため、乳首の硬さ以外のものは自分の身を守るために受け入れない、鋭敏な状態です。

生後1~2か月

自分の指やこぶしをしゃぶり、おもちゃなども口の中に入れる時期になります。その中でだんだんと口の鋭敏さがやわらぎ、いろんなものを受け入れるようになります。

生後6~8か月から1歳まで

離乳食の開始期です。
6~8か月頃に初めて下の前歯の乳歯が生えてきます。ちょこんと白いものが見えてきてかわいらしいので、はえてきたことを家族みんなでお祝いしてあげましょう。

この歯は舌に近く、常に唾液に触れているためむし歯菌が増えにくく、むし歯のリスクが低いと言われています。逆にいえば、この歯にむし歯があるということはとてもむし歯になりやすい子ということにもなります。ですから、この時期は歯ブラシでしっかり磨くというよりも、これから生えてくる歯を磨けるように、赤ちゃんに歯ブラシに慣れてもらうための準備期間だと思ってください。

この時期に歯ブラシを見せると、自分で口の中に入れて確かめようとすることがあります。歯ブラシをしゃぶるだけにとどまりますが、0歳代はそれで十分です。すこしずつ歯ブラシに慣れてもらい、歯ブラシが怖くないことを覚えてもらいましょう!できれば、離乳食のあとに一緒にしゃぶってもらいましょう。今は、赤ちゃんが興味を示したときだけでよいので、できそうなときに試してみましょう!

※)注意点

「歯ブラシはナイロン毛のものを選ぶ」

歯ブラシはゴム製ではなく、ナイロンでできたものを選びましょう。やがて、歯を磨く時期になったときに歯ブラシを受け入れやすくなるためです。
歯磨きの基本は歯ブラシの毛先の弾力を利用した“毛先磨き”です。「この時期のお母さん、お父さんにお願いしたいこと」

危なくないように見守る。

歯ブラシを口の中に入れているだけでは、歯や歯ぐきを傷つけることはありません。ただし、歯ブラシを口に入れた状態で転んだりすると喉や口の大けがにつながります。子供が歯ブラシを持っている間は必ず見守りましょう。

「お口に入れたね」「じょうずだね」とやさしく声をかける。

お子さんが歯ブラシを持ったら、優しく楽しく声掛けをしてあげてください。ただ口にくわえているだけでも「歯磨き、上手だね。気持ちいいね。」と、声をかけます。

赤ちゃんも褒められるとうれしいのです。そうすることで安心して歯ブラシを口に入れ、歯ブラシに慣れ親しむことができます。

また、お母さんやお父さんが楽しく歯磨きしているところを見せてあげるのも大切です。そうすることで、歯磨きは楽しいことなんだと、お子さんは感じてくれます。

歯磨きの時間はお子さんとの触れ合いの時間

こども用の歯ブラシでお口の中を触ってあげて、「こちょこちょしておもしろいでしょ~。」「お口の中をキレイキレイしようねー。」と語りかけながら、歯ブラシは安全なもの、嫌なものではないことを伝えて、慣れさせてあげてください。

基本的に赤ちゃんや小さい子は口の中を触るのを嫌がります。それは口の中が柔かく傷つきやすいことと、食べ物や異物などが自分の中に入ってくる最初の入口であることを本能的に分かっているため、身を守るために警戒しているのです。つまり、体全体の門番のような役割をしています。しかし、警戒しているだけに一度安全なものと理解してしまえば、それからはすんなりと受け入れてくれるようになります。また、機嫌はその日その日によって、まちまちなので嫌がる日は無理をしなくて構いません。できるときに慣れさせてあげる程度で構いません。

嫌がって歯ブラシさせてくれないから、ダメな子なんてことは絶対にありません。必ず、できるようになる日が来ますのでそれまで何度もチャレンジしてください。なにより、歯磨きの時間を寝る前のスキンシップの時間くらいに気楽に考えてください。忙しくてなかなかお子さんと触れ合う機会が作れなくても、数分で良いので生活の中に組み込んでいけば家族にとってのかけがえのない時間になると思います。膝の上にごろんとさせて、お子さんに語りかけながらお口の周りを触って歯ブラシをおもちゃ代わりにスキンシップする。そう思えば、お子さんも楽しんでくれますし、お母さんお父さんも気楽に取り組めると思います。

参考文献:ママになった歯科医師・歯科衛生士・管理栄養士が伝えたい!食育とむし歯予防の本(神山ゆみ子・今村幸恵・鈴木和子・今村智之 著、丸森英史 監修、医歯薬出版株式会社)、Dent.File別冊大人う蝕時代のフッ化物応用(ライオン歯科材株式会社)