幼児の歯磨き方法~2、3歳の歯磨きレッスン~
今年は暖冬で雪が少ないですね。雪かきの負担が少ないのは助かりますが、ニュースなどでもインフルエンザが猛威をふるっていると報道されています。現に僕の周りのでも体調を崩した人が多くいます。手洗い・うがいはもちろんですが、歯磨きも風邪などの予防には効果的です。特に朝起きたときは口の中の雑菌が増えていますので、朝の歯磨きは全身の健康という観点からも重要になってきます。
今回はお子さんの歯磨きシリーズ第4弾で、2~3歳の歯磨きについてまとめてみました。これまでとの違いは、徐々にお子さんの自我が芽生えてくるところだと思います。これからは磨き方以上に、歯磨きの大切さを伝えていくことが大事になってきます。
2歳の歯磨き編
【目標】大人のマネをして、歯ブラシを動かす
家族のマネが大好きな時期
1歳で“食べたら磨く”を習慣化させる話をしましたが、これからは歯磨きを楽しい時間にしていきましょう。まだお子さん自身では上手に歯磨きはできませんので、歯ブラシを口に入れてシャカシャカと歯磨きのまねごとをするだけでも十分です。両手で歯ブラシを持ったり、歯ブラシを噛んでしまったりなどのぎこちない動きでも、歯を磨くことをほめてあげてください。そうすることで得意になって歯ブラシを手にしてくれるようになります。
子どもはお母さん、お父さんや兄弟のマネをするのが大好きです。一緒に磨いたり、歯磨きをしている姿を見せたりしてみましょう。上手にマネができて、いままでできなかった磨き方ができたときは「お母さん、お父さんと同じだね」と声掛けをします。その繰り返しの中で、だんだんと歯磨きらしい動きになっていきます。
ブクブクうがいも練習しよう!
口の中にお水を入れて、唇をギュッと閉じて頬を動かすブクブクうがいは、このころの子どもにとっては難しい技です。
①空気でブクブク
②少し水を含んでブクブク
と段階を踏んで練習することで、少しずつ上手になっていきます。
最初は水を口に溜めれずに飲んでしまったり出てしまったり、飛ばしてしまったり、周りがびしょびしょになることもあるでしょう。子どもにとってはブクブクうがいも遊び、それでいいのです。お風呂で練習するのもよいですね。
仕上げ磨きができていますか?
このころの歯磨きで歯垢(プラーク)を落とすのは、お父さんやお母さんの仕上げ磨きです。
しかし、この時期の子どもはごきげん次第で磨ける日もあれば磨けない日もあります。
また、口の中の感覚の鋭敏さは徐々にやわらいではいますが、大人と同じくらいの感覚になるのは3歳ごろです。親としては「奥歯まで生えそろったので、きちんと磨かなければ」という意識が高まりますが、いま一度“痛くなくやさしく磨く”ことに気を配る必要があります。
嫌がるときもありますが、それは順調な育ちです
1歳から2歳すぎは自我が少しずつ芽生えてくるころで、自分でやってみたい時期なのです。階段を登れないのに、自分で登ると言ったり、こぼすのにスプーンを使って自分で食べようとしたり、それを手伝おうとすると嫌がったりします。
同じように歯ブラシも自分でやりたいので仕上げ磨きを嫌がるのです。どんなに上手に磨いても、どんなに楽しい演出をしても嫌がるときがあって当たり前です。そんなときはこれもひとつの成長と感じてあげましょう。必ず「磨いてほしい」と甘えてくるときがくるはずです。そのときしっかりと向き合って、磨いてあげましょう。
3歳の歯磨き編
【目標】仕上げ磨きがしっかりできるようになる
自分でも歯磨きができるようになってきます
3歳の子どもに「歯を磨いてごらん」と声をかけると、前歯と下の奥歯の噛む面を磨きます。その部分は3歳児に共通する磨きやすい部分なのです。
こんなときは盛大に褒めましょう
- 「いい音聞かせて」
歯ブラシの毛先を効果的に使うと歯垢を簡単に落とせます。そのときは「シャカシャカシャカ」と軽やかでやさしい音がします。よい音は歯垢を落とせている証拠です。「いい音するかな?」とお子さんに声をかけてあげてください。すると子どもは張り切って手を動かします。 - 大人のマネを上手にできたとき
自己流に自分の磨きやすいところを磨いているときに、「マネしてごらん。ここ磨いてごらん。」と大人が自分の歯を磨いている姿を見せましょう。上手にマネができて同じ場所を磨けたときには、「すごいね!お母さんと同じ磨き方ができたね!!」とおおいに褒めてあげてください。
いままでできなかった磨き方ができたときに盛大に褒めると、歯磨きが上手になると同時に「歯を磨きたい!!」と意欲も増すでしょう。そうすることで自分で磨けるポイントが増えていきます。
ブクブク名人になろう!
歯を磨いた後の「ブクブクうがい」も3歳になると大きな音でブクブクしたり、閉じた口から水をこぼさず上手にできるようになります。ブクブクうがいは、歯磨きで落とした汚れを吐き出す以外のすばらしい効果があります。口の機能の発育のための運動になるのです。唇をギュッと閉じて頬を動かすことで、おもに唇と頬の筋肉を鍛えることができます。
また、「ガラガラうがい」はおもに舌や喉の筋肉を鍛えることができます。口の周りの筋肉(口唇、頬筋、舌、喉)の発育は、食べ物をかみ砕いたて飲み込むこと(咀嚼・嚥下)や発音、呼吸、また、歯並びにもおおいに関わってきます。ぜひ歯磨きのときに遊び感覚でやってみてください。3歳が終わるころには10秒間の長いうがいができるくらいの「うがい名人」になれるといいですね!
しっかりと仕上げ磨きができるようになる
眠いときなどその日の機嫌によって嫌がるときがあっても、だいたい3歳ごろになると仕上げ磨きがしっかりとできるようになります。子どもの歯は大人の歯に比べて丸みが少なく平坦なので、毛先を当てて軽く動かせば比較的簡単に歯垢を落とせます。歯の面にきちんと毛先を届かせることがコツです。